2012年11月09日
◆自慢することはたくさんないけど、・・・。」
7月4日
「自慢することはたくさんないけど、誇りに思うことはたくさんある。」
自分が育った家族こそ誇りに思えます。
-------1分で感動より--------
幼稚園のころ、友達を家に呼ぶと怒られた。
しばらくしてそれはボクの家がみすぼらしい家だから他人様に見せたくないんだって気づいた。
当時のボクん家はおじいさんから譲り受けた蚕小屋だった。
当時の日本は少し前まで蚕をどの家も飼っていた。
蚕を飼わなくなったその部屋にボクの家族5人は生活していた。
子供のころは電話もなく、
隣のDさんに借りていた。
風呂は親戚のおばさんちに入りにいっていた。
文字にすると暗い悲惨な生活に感じるが、
底抜けに明るい楽しい毎日だった。
家に車が届いた日のことを覚えている。
パンパカパーンとフィナーレが鳴り響くほどの喜びの日だった。
念願の家を建てた日のことも覚えている。
母も父も嬉しそうだった。
喜びは笑顔が顔からこぼれ落ちるほどのレベルに達し、
ボクも子供ながらその喜びがどのレベルなのかを知った。
村里離れた地域に立った家は学校には遠く、
ボクは小学生のころから片道40分の歩きを強いられた。
野球少年だったボクを、
「本当にプロ野球選手になるならこの歩きがそうさせてくれる!」
と一喝し、
父母は朝夕の苦痛を素晴らしいことにしてしまった。
そんなある日、
事件は起きた。
小学校6年生のとき、
ボクの家は人に騙されてお金を失うのだ。
いつも家に遊びに来るおじさんが騙した。
子供だったからよく解らないけど、
ボクん家はスッテンテンになった。
なにかが起きている雰囲気は充分、
漂っていた。
張りつめた緊張感と、
結末はきっと悲しいことなんだろうという悲壮感が入り交じっていた。
「ちょっと来なさい」
と母に呼ばれ、真相を知る。
「あなたたちは普通の子たちとは違うの」
と話を切り出す母。
「うちには本当にお金がもうなく、
他人様が欲しがるものを我が家では買い与えることができないから覚悟しなさい」
このお金のない状態を他人様からお金を借りることなく乗り越える決断を父母はした。
だから、
あなたたち子供も努力しなさいというお達しだった。
大事件が起こったのだ。
だけど、ボクは何か重要な任務を仰せつかった気分で高揚した。
ボクたちの毎日が確実に父母の、
ボクたちの未来につながっている感じがした。
何か親の役に立ちたいと思った。
どんな苦労も父母と共に、
家族一丸となって乗り越えていく覚悟をしたことを覚えている。
次の日からの学校でも我が家に起こった事件がばれぬよう、過ごした。
何から何まで全く同じなのに少し違う色に塗られた風景の中で過ごしている気分だった。
活躍したのは母だった。
とにかく明るい。
「もう、お餅買ったら年を越すお金、
ないのよー!ワッハハ!」
ケラケラと家族を笑わす母は細腕なのに豪快だった。
お金がなくても幸せだった。
少しのものと、
いっぱいの笑顔で過ごしたあのころ、
ボクの宝物は親を喜ばせた思い出。
野球で勝った!
走って一番だった!
大きな魚を釣った!
学校で作文をみんなの前で読んだ!
父母が喜ぶと嬉しかった。
一生懸命働いてくれている二人に少しでも喜んでほしかった。
二人の期待に応えたかった。
時々、
思い出したように酔っ払うと父は
「あの金があったらなぁ」
とぼやきはじめる。
まじめに一生懸命生きている男の作ったものを他人様が奪い取ったんだ。
ガッカリしている大人が嘆いている姿を見るのは子供には刺激が強すぎる。
普段はその嘆きたくなる気持ちをちからわざで封じ込めているんだ。
酒はその力を奪い、
父は嘆く。
「まずい」ってボクは思った。
こんなとき、家族に漂うこの空気の流れは魔を呼ぶ流れの気がした。
みんなが明るくなって、
みんなが未来を目指したくなる空気を作るコトバを発するべきだと思った。
「父ちゃん!
騙される側で良かったよ。
うちが騙したんじゃなくて良かったよ」
ボクは父にそう言った。
この絶望的な世界に一輪、
立派に咲き誇る自尊心にむけて。
今も昔話に花が咲くと母はよく
「あのコトバに救われて私たちは頑張ったのよ」
と泣きはじめる。
あのころの生活、
自慢することは沢山ないけど、
誇りに思うことは沢山ある。
物質的には何も満たされてなかったけど、
いっぱいの愛と笑いがあった。
出典「山崎拓巳の道は開ける」大和書房2006/3/10発行
幸せを決めるのは諸条件や外野でなく自分
自分だけでなく周りも明るくできる人は素晴らしいですね
今日も素敵な1日をお過ごしください(*^-^*)
--------------------
頂いたコメント
辻 美香
笑顔と言葉で心は救われる(^^)いいですね~~~(^^)
笑顔笑顔(^^)今日も顔晴りましょ~~~(^^)
-------
豊岡 昌範
以前も書きましたが、母親の笑顔が家族の軸ですね。その笑顔を引き出すのが父親の役目。(*^_^*)
-------
辻 美香
素晴らしい(^^)その通り(^^)
-------
豊岡 昌範
いつになっても、自分への課題です!(^^)!
-------
鳥飼 留美子
持っている器は人それぞれ。
苦労を苦労とせず、逆行に立ち向かう姿に心が暖まりますね。
今日も笑顔で行きましょ♪( ´▽`)
ニヤニヤではなく、ニコニコで‼(笑)
-------
豊岡 昌範
今、仏頂面で仕事してました。(*^_^*)
美味しいもの食べよ!そうしたら・・・
(しかし男が一人で事務所でニコニコ・・・キモイですね:笑)
-------
鳥飼 留美子
決して一人の時はニコニコしないで下さい!
怖いですから~ ((((;゚Д゚)))))))
「自慢することはたくさんないけど、誇りに思うことはたくさんある。」
自分が育った家族こそ誇りに思えます。
-------1分で感動より--------
幼稚園のころ、友達を家に呼ぶと怒られた。
しばらくしてそれはボクの家がみすぼらしい家だから他人様に見せたくないんだって気づいた。
当時のボクん家はおじいさんから譲り受けた蚕小屋だった。
当時の日本は少し前まで蚕をどの家も飼っていた。
蚕を飼わなくなったその部屋にボクの家族5人は生活していた。
子供のころは電話もなく、
隣のDさんに借りていた。
風呂は親戚のおばさんちに入りにいっていた。
文字にすると暗い悲惨な生活に感じるが、
底抜けに明るい楽しい毎日だった。
家に車が届いた日のことを覚えている。
パンパカパーンとフィナーレが鳴り響くほどの喜びの日だった。
念願の家を建てた日のことも覚えている。
母も父も嬉しそうだった。
喜びは笑顔が顔からこぼれ落ちるほどのレベルに達し、
ボクも子供ながらその喜びがどのレベルなのかを知った。
村里離れた地域に立った家は学校には遠く、
ボクは小学生のころから片道40分の歩きを強いられた。
野球少年だったボクを、
「本当にプロ野球選手になるならこの歩きがそうさせてくれる!」
と一喝し、
父母は朝夕の苦痛を素晴らしいことにしてしまった。
そんなある日、
事件は起きた。
小学校6年生のとき、
ボクの家は人に騙されてお金を失うのだ。
いつも家に遊びに来るおじさんが騙した。
子供だったからよく解らないけど、
ボクん家はスッテンテンになった。
なにかが起きている雰囲気は充分、
漂っていた。
張りつめた緊張感と、
結末はきっと悲しいことなんだろうという悲壮感が入り交じっていた。
「ちょっと来なさい」
と母に呼ばれ、真相を知る。
「あなたたちは普通の子たちとは違うの」
と話を切り出す母。
「うちには本当にお金がもうなく、
他人様が欲しがるものを我が家では買い与えることができないから覚悟しなさい」
このお金のない状態を他人様からお金を借りることなく乗り越える決断を父母はした。
だから、
あなたたち子供も努力しなさいというお達しだった。
大事件が起こったのだ。
だけど、ボクは何か重要な任務を仰せつかった気分で高揚した。
ボクたちの毎日が確実に父母の、
ボクたちの未来につながっている感じがした。
何か親の役に立ちたいと思った。
どんな苦労も父母と共に、
家族一丸となって乗り越えていく覚悟をしたことを覚えている。
次の日からの学校でも我が家に起こった事件がばれぬよう、過ごした。
何から何まで全く同じなのに少し違う色に塗られた風景の中で過ごしている気分だった。
活躍したのは母だった。
とにかく明るい。
「もう、お餅買ったら年を越すお金、
ないのよー!ワッハハ!」
ケラケラと家族を笑わす母は細腕なのに豪快だった。
お金がなくても幸せだった。
少しのものと、
いっぱいの笑顔で過ごしたあのころ、
ボクの宝物は親を喜ばせた思い出。
野球で勝った!
走って一番だった!
大きな魚を釣った!
学校で作文をみんなの前で読んだ!
父母が喜ぶと嬉しかった。
一生懸命働いてくれている二人に少しでも喜んでほしかった。
二人の期待に応えたかった。
時々、
思い出したように酔っ払うと父は
「あの金があったらなぁ」
とぼやきはじめる。
まじめに一生懸命生きている男の作ったものを他人様が奪い取ったんだ。
ガッカリしている大人が嘆いている姿を見るのは子供には刺激が強すぎる。
普段はその嘆きたくなる気持ちをちからわざで封じ込めているんだ。
酒はその力を奪い、
父は嘆く。
「まずい」ってボクは思った。
こんなとき、家族に漂うこの空気の流れは魔を呼ぶ流れの気がした。
みんなが明るくなって、
みんなが未来を目指したくなる空気を作るコトバを発するべきだと思った。
「父ちゃん!
騙される側で良かったよ。
うちが騙したんじゃなくて良かったよ」
ボクは父にそう言った。
この絶望的な世界に一輪、
立派に咲き誇る自尊心にむけて。
今も昔話に花が咲くと母はよく
「あのコトバに救われて私たちは頑張ったのよ」
と泣きはじめる。
あのころの生活、
自慢することは沢山ないけど、
誇りに思うことは沢山ある。
物質的には何も満たされてなかったけど、
いっぱいの愛と笑いがあった。
出典「山崎拓巳の道は開ける」大和書房2006/3/10発行
幸せを決めるのは諸条件や外野でなく自分
自分だけでなく周りも明るくできる人は素晴らしいですね
今日も素敵な1日をお過ごしください(*^-^*)
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頂いたコメント
辻 美香
笑顔と言葉で心は救われる(^^)いいですね~~~(^^)
笑顔笑顔(^^)今日も顔晴りましょ~~~(^^)
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豊岡 昌範
以前も書きましたが、母親の笑顔が家族の軸ですね。その笑顔を引き出すのが父親の役目。(*^_^*)
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辻 美香
素晴らしい(^^)その通り(^^)
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豊岡 昌範
いつになっても、自分への課題です!(^^)!
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鳥飼 留美子
持っている器は人それぞれ。
苦労を苦労とせず、逆行に立ち向かう姿に心が暖まりますね。
今日も笑顔で行きましょ♪( ´▽`)
ニヤニヤではなく、ニコニコで‼(笑)
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豊岡 昌範
今、仏頂面で仕事してました。(*^_^*)
美味しいもの食べよ!そうしたら・・・
(しかし男が一人で事務所でニコニコ・・・キモイですね:笑)
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鳥飼 留美子
決して一人の時はニコニコしないで下さい!
怖いですから~ ((((;゚Д゚)))))))
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Posted by aqua at 10:12│Comments(0)
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