中心軸

aqua

2016年08月04日 11:43






「中心軸」


ピンチに見舞われて混乱している主人公(矢口亮)に向かって老人は言います。


「君がそこまで混乱している根本的な理由は、ひとつ。自分の中心軸が定まっておらんことじゃ。
自分に起きてくる出来事を判断するときの、ゆるぎない価値基準となるのが中心軸じゃ。
人類の歴史上、真に偉大な人物たちは昔、自分の中心軸を持っておった。
この軸があれば、ピンチや問題に出合っても、揺れたりふらついたりすることがない。
なぜなら自分に起きた出来事の意味を正しく理解し、自分が次になにを選択すればよいかを知ることができるからじゃ。
よいかね、真の豊かさを実現するためには、まず自分の中心軸を定めることが不可欠なのじゃ。」
 

それに対して主人公(矢口)は、自分だって物事の判断基準くらいは持っているつもり。
それが中心軸じゃないとしたら、中心軸ってなんなんですか?
 
と聞き返す。
 
老人はある例え話をして説明します。

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ある男が、恋人の誕生日を祝うために、何日も前から申し込まないと予約が取れない人気のあるディナークルーズの予約をした。
海から都会の夜景を眺めながら美味しい料理とワインでお祝いをすれば、恋人が喜んでくれるだろうと思ったのだ。
 
恋人の誕生日に男は仕事を早く切り上げて船が出る30分前に到着した。
ところが恋人は時間になっても現れない。
携帯に電話しても繋がらない。
彼女の乗っていたバスが渋滞に巻き込まれて30分以上も遅れてからやっと到着したが、船はすでに出港した後だった。


彼は彼女を責めた。
 
「港までの道はよく渋滞する道だって知ってるだろう。どうしてバスなんかで来たんだよ。」

恋人を喜ばせようと一生懸命に準備して楽しい時間を過ごすはずだったのが、最悪の時間を過ごすことになってしまった。

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この例え話で老人が伝えたかったことは、
 
「その男がディナークルーズを予約したのは、彼女の誕生日を祝い、彼女を喜ばせるためじゃった。
つまり、男が最も望んでいたのは、彼女に喜んでもらうことじゃ。
男がこのことをはっきり意識さえしていれば、遅刻した彼女をいくらでも喜ばせることができたはずじゃ。
しかし男は、自分が最も望んでいたことを忘れてしまい、彼女を責めた。
その結果、彼女を喜ばせるどころか、傷つけてしまったわけじゃ。
 

このように、実に多くの人間が、その場の感情や衝動に動かされて、自分の望む現実とは逆の現実を創り出してしまう。
そして、人生でこれを繰り返しているのじゃ。」
 

老人は続けて言います。
 

「人生でこれを繰り返したくなければ、まず『人生を通じて最も望むものはなにか』をはっきりとさせることじゃ」
そして、それをはっきりさせることが、中心軸を定めることになる。
 
多くの人が
『自分が人生で最も望んでいるものがなにか』
を知らない。
 
それゆえ
起きる出来事に振り回され、衝動に流されてしまう。


ここまで
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行き詰った時、
考えすぎて答えが見つからない時、
ふとしたことで、友人と考えが合わなかったとき・・・
 
この「中心軸」を読み返してる。
何度も何度も読んだ内容だが、心が落ち着かない時には自分にとっては素晴らしい人生の教科書になっている。
 
ぶれない軸・・・
 
なかなかガッシリとした軸にはなれないけど、少しずつ足も地についてきたかな・・・。

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