3年前にfacebookに投稿した内容ですが、改めてブログでも紹介。
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本日、我が家でちょっとしたパーティーがあった。
その中での次女との会話。
「これ見て!今日患者さんからもらったんよ。」
それは患者さんが手書きで、島崎藤村の詩を書かれていた。
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惜別の詩
別れと云えば昔より
此の人の世の常なるを
悲しむなかれ我が友よ
旅の衣を整えよ
君がさやけき目の色も
君紅(くれない)の唇も
君が緑の黒髪も
又いつか見んこの別れ
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次女は作業療法士を目指していて、専門学校の3年生。
実習で9週間、精神医療の病院に通っていた。
今日が最後の実習だったので、担当してた患者さんが次女に書いてくれたようだ。
この患者さん、81歳。
入院生活は長いようで、病名はアルコール中毒。
他には、
いつも何か叫んでいる人……。
毎日悪魔と戦っている人……。
など、様々な人が入院しているとの事。
次女が他に担当していた患者さんで、入院生活30年の人がいるらしい。
病名は「自律****症」。
ひとりで買い物にいけない。
電車に乗れない。
お金の計算ができない。
というより、その人はなぜ計算が必要なのかがわからないらしい。
次女が言うには、この方の病気は生まれつきではないということ。
どういう事かというと、子供の頃から家族によって様々なプレッシャーを与えられて、また虐待を受けてこうなったとの事。
自分の中の受け皿に入りきらなくなる。
オーバーフローしているのに大きなプレッシャーがまだまだ降りかかる。
その辛さを忘れるために、自分の心の中に新しい世界を作り上げていく。
そして、現実の世界と心の中の世界の境目がわからなくなるようだ。
この患者さんは現在64歳。
つまり34歳で入院したことになる。
家族では手に追えなくなったからここにつれて来られたらしい。
逃げ道を持っていない子供を追い込むことは、最悪の場合、一人の人生を変えてしまうことになるようです。
これは家庭だけではなく、職場においても同じかもしれませんね。
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余談
次女「もしよかったら、この病院に就職してもいいかなって思うんよ」
・・・どうして?
次女「だって普通の病院であればマニュアルがあるから全てではないにしても、その通りにすればいい。
しかし実習で行った病院は、マニュアル通りには対応できない人ばかり。
患者さん全てに対応が違うから、自分でプランをたてて治してあげたい。」
親バカではあるが、嬉しい言葉であった。(^^)